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純弥は喫煙所にいた。 ガラス越しに、さっきレジで対応してくれた女の子を見る。 (めっっちゃかわいい…) 見たいがために、特に吸いたくもなかったがタバコに火をつけた。 仕事帰りの純弥は、濃紺の作業服上下にブーツタイプの安全靴。 そんなに裾が広がらない、ソフトなニッカズボンを好んで穿いていた。 工場の決まりで、巻き込みや引っ掛かりを防止するために作業者は足首に脚絆を巻く。 純弥のズボンはニッカズボンなので少したるみがあり、脚絆を巻くとそこだけキュッと締まり、まるで忍者だ。 上着の袖には愛用のボールペンと蛍光ピンクのマーカー。 ポケットからは納期別の工程管理表が少しのぞいている。 製造課機械係 グループリーダー   神崎 と書かれた名札。 まるで休憩時間にコンビニに寄ったかのようだった。 じゃあね、と視線を送りタバコを消した。 秀明のアパートまでわずか数分。
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