終章

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暑そうに、ワイシャツの襟元をパタパタと振りながら、行き交う人を眺めていた彼は、目線をそのままに声を掛けてきた。 「……元気そう、ですね。」 その声に一切の陰りはなくて、私達の関係は終わったのだと、今更ながら実感が湧いてきた。 「うん。相変わらず、だよ。」 「なら、良かった!」 そう言うと、彼はニッと笑って、こちらを見た。 私も、同じように笑い返す。 .
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