終章

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彼は立ち上がって、気持ち良さそうに伸びをすると、こちらを振り返った。 「じゃあ、行きますね。」 私は彼に向けて微笑み、頷く。 軽く手を上げて微笑み返すと、彼は颯爽と歩き出した。 その背中が人混みに紛れて消えるまで見送った。 何だか歌でも口ずさみたい気分だ――。 私も立ち上がり、軽く服を整える。 大きく息を吸って、背筋を伸ばすと、彼とは反対の方向へと、足を踏み出した。 End .
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