第4章

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今日は、私が外部出演することが決まった公演のチラシを渡したいから……という名目で呼び出してある。 私達は待ち合わせ場所に程近いカフェに入った。 日曜日の昼間ということもあって、店内はカップルや女性客で賑わっている。 「稽古、始まってるんですよね?……どうですか?」 彼は、私が差し出したチラシを見ながら、コーヒーを一口飲んだ。 「台本は有名な劇団の作品だから、間違いはないけど、演者は個性的な人が多いからなぁ……。まとまるのかな?って感じ。」 なんて、平静を装っていても、どのタイミングで話を切り出すか……そればかりが気になって、せっかく会えたというのに、彼との会話も上の空だった。 ただ時間だけが過ぎ、、結局カフェでは肝心の話はできないまま、店を出る。 彼は、夕方からのバイトが迫っていたので、そのまま一緒に駅へ向かうことにする。 彼のバイト先は、ここから数駅離れたところにあり、うちの最寄り駅とは同じ方面だ。 相変わらず話のタイミングを掴めないまま、二人並んで同じ方面の電車を待つ。 短い沈黙が流れ、今しかない!…と、大きく息を吸い込んだ。 「あの―――。」 「間もなく、一番線に電車が参ります。」 私の声は、電車の到着を知らせるアナウンスにかき消された。 .
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