第4章

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電車の扉が閉まり、ゆっくりと発車していくのを背中で感じる。 ホームには私達だけになった………。 長い沈黙の後、彼は、ありがとう、と呟いた。 彼の腕を掴んだままの私の手の甲に、粉雪が落ちては消えていく。 「………だけど、里佳さんと、今以上の関係には、なれないです。」 こうして、私の思いは、粉雪と共に消えた………。 .
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