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「麒麟は反対だ。その冷静さは嫌われるぞ。まぁ、お前の家は血統書着きだからな」 「なんだ、それ」 麒麟が呆れたように僕を見上げる。 枯れ葉を踏み、逃げるようにして神社へ走る。 「おーい!早く来いよー!」 いくら冬に向かって季節が動いているとはいえ、長く歩いた後にダッシュもすれば背中にうっすらと汗が滲む。 掌に滲んだ汗を、麒麟に手を振ることで冷やすと気持ちがいい。 神社の鳥居脇に立てられた、掲示板に目を通す。 数年に貼られたのではないかと思うほどに黄ばんだ紙は、手芸サークルのメンバー募集を告げている。 崩壊に向かって突き進んでいるこの村にも、今もこのサークルはあるのか。 「ウナギ。お前は少し年齢に見合った落ち着きを収得しろよ」 「麒麟は、物事をもっと簡単に話せるようになれ」
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