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「おい、おいおい。聞いてねぇぞ!」
「誰にも気づかれないようにしてたんだよ」
ウナギが予想外にも反応した。
僕は壁に身体を預けると、立っているだけで眩暈がした。
張り付くような喉が熱く、それだけで気分まで悪くなる。
「ちょっと待てよ。だから女なのにこの町に残ってるのか?お前のために、危険を覚悟して」
「それは違う。麒麟の親も役場だろ?こいつもそうだ」
「それにしたって……」
と、ベッドのラッコがのっそりと起き上がる。
脇に置かれた学生鞄を開け、菓子袋を取り出す。
スナック系の菓子だ。
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