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枯れ草が足下で音を奏でる。
先週までは黄色の絨毯が引かれていたこの通学路も、数日前の暴風雨でめっきりと寂しくなってしまった。
雨で濡れた木の葉が靴の裏にへばりつく感触を気持ち悪いと思った癖に、それが一斉に片づけられると少し心に隙間が空いてしまったようだ。
それに気づく瞬間が好きだ。
いつの間にか季節が移り変わるよりも、その狭間に置かれていることを色濃く映し出されると、新しい場所へ向かうような高揚感が襲う。
山の彩りが変わり、空気が肌を撫でる感触に踊らされる。
きっとそれは、この街にいることでしか強く覚えられないはずだ。
周りの喧噪や目を奪われる娯楽もない。
そう、ここには、季節しかない。
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