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正月以外の時に神社を訪れる人間はあまり見かけることがない。
と言っても多少の住宅は昔から存在するので人通りがまったくないわけではない。
すれ違う時だけ麒麟と僕は縦に並ぶ形となり、男とすれ違う。
キャンディを舐める舌先を掠めるように牛糞の臭いがする。
「おえ」
口をついた僕を、前方の麒麟が振り返って睨む。
僕は肩を竦めて、足を速める。
「ウナギ。いつも思うけど、お前のその軽口はいつか身を滅ぼすぞ」
「だって、見てみろ。いくらせまいこの道といっても、声を出したのは随分たってからだ」
「それは、……まぁそうだとしても、だ」
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