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ずっと抱き合っていた。
互いの気持ちの良いところをまさぐり、舐めては、かき回す。それの連続だった。というか私がほとんどされっぱなしだった。
乱れに乱れた服を着て、もうじき夜明けという頃。
月の役目も終わりだった。
「咲夜」
「・・・・・・はい」
「どうしたのよ?」
「腰が、・・・痛いです」
「ふふっ、本当に可愛いわね、あなたってば」
「お嬢様が、・・・あんなに、激しく・・・」
「だって、月の魔力も手伝って、欲求不満だったんだもの」
「・・・う~」
「んふふ。私も随分長く生きてきたけど、咲夜。あなたほど私に尽くしたやつはいないわ」
「はい」
「だから、私はあなたと共にあろうと、そう思ったのよ」
「・・・はい」
「昨日のはね、・・・・・・その、なんていうか・・・・・・自分でも、悪かったなとは思ってるのよ?」
「ふふっ、・・・はい」
「まあ、いいわ。とにかくあなたは私のものよ。いいわね?」
「はい、いつもお傍に。レミリアお嬢様」
私は誓う。
この人のために生きて、この人のために死ぬと。
そっと、お嬢様の右手を捕まえて、甲にキスをする。誓いの証だ。
「私は、お嬢様の恋人になったんですねっ」
「そうね、・・・・恋人というか、犬ね」
「犬って、・・・・・・可愛がってくれたらいいです」
「もちろん、可愛がるわ。いろんな意味でね」
「・・・優しくしてくださいね」
「んふふっ、満月の夜は気を付けないとね」
お嬢様は、笑う。
真っ赤な夜の、散歩の先に見つけたのは、ただの居場所の一つだった。
かけがえのない。
END
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