真っ赤な散歩

4/4
前へ
/37ページ
次へ
ずっと抱き合っていた。 互いの気持ちの良いところをまさぐり、舐めては、かき回す。それの連続だった。というか私がほとんどされっぱなしだった。 乱れに乱れた服を着て、もうじき夜明けという頃。 月の役目も終わりだった。 「咲夜」 「・・・・・・はい」 「どうしたのよ?」 「腰が、・・・痛いです」 「ふふっ、本当に可愛いわね、あなたってば」 「お嬢様が、・・・あんなに、激しく・・・」 「だって、月の魔力も手伝って、欲求不満だったんだもの」 「・・・う~」 「んふふ。私も随分長く生きてきたけど、咲夜。あなたほど私に尽くしたやつはいないわ」 「はい」 「だから、私はあなたと共にあろうと、そう思ったのよ」 「・・・はい」 「昨日のはね、・・・・・・その、なんていうか・・・・・・自分でも、悪かったなとは思ってるのよ?」 「ふふっ、・・・はい」 「まあ、いいわ。とにかくあなたは私のものよ。いいわね?」 「はい、いつもお傍に。レミリアお嬢様」 私は誓う。 この人のために生きて、この人のために死ぬと。 そっと、お嬢様の右手を捕まえて、甲にキスをする。誓いの証だ。 「私は、お嬢様の恋人になったんですねっ」 「そうね、・・・・恋人というか、犬ね」 「犬って、・・・・・・可愛がってくれたらいいです」 「もちろん、可愛がるわ。いろんな意味でね」 「・・・優しくしてくださいね」 「んふふっ、満月の夜は気を付けないとね」 お嬢様は、笑う。 真っ赤な夜の、散歩の先に見つけたのは、ただの居場所の一つだった。 かけがえのない。 END
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加