No.2 出会い

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アルバムを置いて俺は直哉兄に言った。 「なんでアルバムなんか持って来たんだよ」 「久しぶりに来たから」 直哉兄は悪い事をした気はないらしい。 チビの姉ちゃんもいたし、すぐ部屋に帰ろうとした。 しかし、玄関から近い階段から見えたのは鞄を持った椎名と学斗。 「え、お前ら…もう帰んのかよ!?」 俺は思わず叫んでしまった。 「あぁ。お邪魔しましたー」 靴を履きながら言う椎名。 「お邪魔しました。また明日な、陽」 ドアを開いて言う学斗。 「ぉ、おぉ…」 何となくわかる。 多分、気遣ってくれた。 「……はぁ。」 俺は独り言をぶつぶつ言いながら部屋を空けた。 「…ったく…なんなのだ…」 部屋に入るとここはここで空気が悪い。 「ぁ………わ、私、お姉ちゃんのとこ行ってくる!!」 チビまでもが部屋から出て行った。 いや、俺は女が消えて嬉しい。 「……へーすけ?」 「陽ー、暇ー。」 へーすけはいつもと同じ口調で俺に言って来たが、いつもと違ったのは…目を合わさずに天井を見ていること。 「…へーすけ」 少しつぶやいた。
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