CASE1

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ケンジは、突然来た一生を大きく左右するような局面に戸惑っていた。 バンドの存続が自分に委ねられたかに思え、昨日の言い争いが滑稽に思える。 『アンタレス』は中学時代にケンジが『アキカン』というバンドのファンになり、次第に「こんなバンドをやりたい」と憧れに変わっていく。 ケンジが『アキカン』のファンである事がクラスで有名になり、リョウもファンだった事からケンジと話をしてみたかったが、クラスも部活も違うため、それ以外には共通項が無く、間は遠く感じていた。 ある日、たまたまケンジと帰る時間が一緒になり、面識がなかったにも関わらず意を結して話しかけた事から意気投合し仲良くなっていく。 『アキカン』ファンから始まった二人の関係は急速に深くなり、元から歌唱力と声に自信があったケンジがリョウに「バンドやろう」と誘い二人で他のメンバーを集めた。 .
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