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巨大なシールド越しにアサギを見ていたナイトは、目線をメインロビーに向けた。
ところで、
「……心なしか、インしているプレイヤーの数が減ってる気がしますわね」
言われ、アサギもつられて街の方へ目をやる。
こうしてナイトと話している間も、ログインしたプレイヤー達が二人を追い抜いていく。
しかし、その数はちらほらという表現に収まる程度で、街の雰囲気もどこか寂しさを感じてしまう。
かなり大人数が余裕をもって行き来出来るのだが、人の通りは多くない。
確かに、ロビーを歩くプレイヤーの数も以前より減っている気がする。
「もう廃れてきたんですの?いくらオンラインゲームの消費が早いからと言っても……」
「いや、多分これのせいじゃあないかな」
軽い電子音と共に、アサギが手元に情報板を展開した。
指の動きでそれを滑らせる。
半透明の光の板は無音で空中を走り、ナイトの前で停止した。
情報板のフォームはメール形式であり、差出人のアドレスが非表示であるそれは、
「――運営からの公式アナウンスですの?」
『【INFORMATION!!】
最近、違法改造武器の使用や、同じプレイヤーに繰り返しPKを行うなど、悪質なプレイが多発しております。
審判官による事態の鎮静化も行っておりますが、予想を上回る勢いで迷惑行為が増加しております。
一般プレイヤーの皆様におかれましては、悪質プレイヤーに遭遇した場合、運営・審判官への通報をお願い致します』
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