【INTRODUCTION】

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その部屋は、現代の裁判所と教会の折衷案のようなデザインをしていた。 薄暗い室内の中央には先程破壊された巨大な机が陣取り、それに向かうように404が起立している。 404の正面には、彼を取り囲むように壁に沿って机が並んている。 裁判所ならば陪審員が座るであろう長机は、被告席より高い位置に陣取る。 重厚な雰囲気を醸し出す黒檀の机には、無数の騎士が沈黙して座していた。 鎧のデザインや体型の違いはあれど、皆一様に白銀の重鎧と黒色のマント、背には巨大な騎士剣を装備する。 そして、そこに座る誰もが静かに裁かれる審判官を睨めつけている。 404の背後には礼拝堂のように長机が4列に置かれ、それが無限に続く。 遥か彼方に両開きの扉がその空間を完結させていた。 正面へ視線を戻した404は、正面にいる者へ視線を向けた。 他の審判官よりも一段高い机に向かい、背後に神話を模したステンドグラスを担うその人物は、 「審判長……!」 404の唸りが響く。 その声は、放たれる寸前の弓の如く引き絞られていた。 静かだが、いつ爆発してもおかしくない不発弾のような危うさを感じさせる404に、正面、審判長と呼ばれた男は椅子にもたれていた体を起こした。 「――ああ、聞いている」 「説明を求める……!」 居並ぶ審判官の中で唯一兜を着用していない者、審判長と呼ばれた男は 無精ひげが生えた顎に手をやる。
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