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「我々がすべきことは、同士への理由なき断罪か?審判官に罷免の刃を差し込むことか」
違うだろう、と胸部装甲に拳を当てた。
「増加、増長するPK達にこそ、断罪と審判の剣を。罪なきプレイヤーを襲い、下劣な欲望を満たす賊に、騎士の剣は振るわれるべきではないのか」
「……」
届け、
「――審判長、賢明な判断を」
視線を受けた審判長は、背の高い椅子にもたれて深く息を吐き出した。
長い嘆息が途切れ、吸い、審判長が404と視線を合わせる。
「残念だが404」
それ以上言葉を告げず、頭を左右に振った。
「……分かりました」
ですが、と404は高速の動きで背の大剣を抜き放つ。
その切っ先に鋭い視線を乗せて審判長へ向け、
「理解を得られる時が来なければ、その時は、貴殿らの素っ首叩き落とす」
バイザーの下から審判たちを睨む。
「見ているぞ」
「――それでいい」
僅かに口の端を釣り上げた審判長は立ち上がり、
「審判長【0z】の名に於いて告げる」
右手に拳を作り、心臓の上に当てて宣誓の姿勢を作った。
「結審:審判官【404】の審判官資格を剥奪する」
放たれた宣告を受け入れるように404が頭を下げた。
それを見て、【Oz】は風を切る音を立てて身を翻す。
「――これにて閉廷」
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