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「お幾つなんですか?」
あたしは彼に問う
『25歳です。お酒弱いから、水もらえる?小本さんに内緒ね(笑)』
「かしこまりました」
彼は川口さんというらしい。
小本さんがそう呼んでいた。
入社して、まだふた月。
なかなか売れる営業マン。
本日は遅れ馳せた新人歓迎会。
あたしは彼の接待を任された。
売れる営業、と聞いて
金になるかも、と思わないのは
初めての展開。
だってこの人、女に金使わない。
見てたらわかります。
川口さんがトイレに立ち
あたしは少し間をあけて
トイレの前で出待ちした。
「川口さん!」
あたしは笑顔を向ける。
『あぁ。あいなちゃんか。どうしました?』
「連絡先教えてください。営業じゃないです。(笑)」
『いいですよー。ただ多分本当に営業受けないですよー(笑)』
いいんだよ、それで
それでいいの。
プライベートが知りたくなったから
聞いただけだもの。
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