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「すみません。」
「いえ、大丈夫ですよ。それより僕のほうこそすみません。」
緩くかかったパーマに黒縁眼鏡が似合う素敵な青年が立っていた。
思わず見惚れてしまった。
「あの…僕の顔になにかついてますか?」
「なんでもないです!あの、それより成宮先生の作品好きなんですか?」
「好きと言えば好きだし嫌いと言えば嫌いかも知れません。僕の作品はまだ未完成ですからね。」
「僕の作品?」
「僕の名前は成宮遼一。この本の作者です。」
そう言って名刺を差し出してにっこりと笑った彼の言葉の意味を理解した私はびっくりして叫び声を上げてしまった。
「きゃぁぁぁぁー」
この瞬間、本屋の客の注目が私達に集まったのは言うまでもない。
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