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「マドカちゃんこんにちは。相変わらず可愛いねぇ。善人も久しぶりだね」
「亜心さんこんにちは!可愛いだなんてそんな……相変わらずお上手ですね。今、コーヒー淹れますからね」
あっさり機嫌が良くなってるし。あれを俺が言っても上手くいかないんだけどな。何でこの人だとこうも簡単にいくんだろ?
だけど、助かった。
「今日は何しに来たんですか亜心先輩。金ならもちろん貸さないですよ」
この高そうなスーツを見にまとった人は俺の大学時代の先輩。
フルネームは鞍馬亜心(クラマ アシン)。昔から何かにつけて無理問答を俺に押し付けてくる。
「善人のとこにお金なんて借りに来るわけないじゃないか。善人とお金の関係は水と油。全くもって相容れないもの。そんな無茶振りはしないよ」
……俺の貧乏ぶりをよくご存じで。
「じゃあ何しに?暇潰しですか?」
「依頼だよ。さぁどうぞ。この人がさっき僕が話していた探偵さんだよ」
亜心先輩の後ろから、ひょっこり現れた見知らぬ子供。
「この人がお兄ちゃんが言ってた探偵さん?ねぇ……この人"宝珠"付けてるよ。ホントに大丈夫なの?」
ただの生意気なクソガキだった。
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