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「円ちゃん……お茶ちょうだい」
俺は、机に突っ伏しながら少し離れた位置でパソコンをいじっている、おかっぱ頭に白と黒を基調としたメイド服を着ている今さら需要があるのかないのか分からない格好をした女の子にお茶を頼んだ。
この子の名前は円円(ツブラ マドカ)。ギャグみたいな名前だろ。漢字表記にしたらどっちで呼んでるのかサッパリわからん。だからカタカナ表記で呼ぶことにする。ちなみにうちの事務所の参謀だ。
……最近は、むしろ俺より偉い。
彼女は、書類整理、会計、ホームページ管理、つぶやき、掃除やお茶汲みまでありとあらゆる業務。またの名を雑務をすべからず完璧にこなしてしまう大した女の子だ。
……ただし人間ではないんだがな。
この子の正体は九十九神。九十九神とは物が長い年月かけて神様だか妖怪だかになったものらしい。今、彼女がいじってるパソコンが本体だそうだ。
要はあれだ。擬人化だ。ホラーではないが。電子機器が擬人化するなんて今では割りとよくある話だ。さして、驚きもしない。
むしろ普通過ぎてい面白味に欠けるくらいだ。
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