最悪の小包

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「まぁ、しょうがないよ  4万近い指輪だったし  私の手編みのマフラーより価値あるものだったんでしょ」 怒りはあれどなんだか馬鹿馬鹿しくなった。 「なんでこんな男に3年も執着してたんだろ、もったいない」 「大丈夫?」 「うん、何かあんまりにも馬鹿馬鹿しくてさ  っていうか、こんな男のために3年間費やしてきたのかと思うと、私もとんだバカ女だよねっ!  散々母さんやミキや友達らに分かれろって言われてたのにさ」 「しかたないよ、恋愛してたら盲目になっちゃうんだからさ。  アズチャンが今気付いてくれてよかったよ」 妹はそこから散々タカを「クズ男」と言って罵った。 私も一緒に罵った。 もう届くことのない想いを、気が済むまで言った。
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