ーprologー

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A side 諒ちゃんと戦闘を交代して、俺を抱える左腕からソッと抜け出し、諒ちゃんより少し後ろの…丁度、管理室の入り口前辺りでフゥって一息着いてると、管理室内にいるニノが俺に苦笑いを浮かべながら、おーいってチョイチョイっと手招きをしてくたから、隣へと駆けていく。 「なぁにぃ?」 「戦闘で疲れてる所悪いんだけど、駿の応援、行ってきてくんない?状況が状況だけに能力使ってるみたいでさ…」 「え……俺でいいの?」 「…正直良くはないけどさ、俺の勘だと今回も諒さんは半端なく暴走すっと思うのよね…。それもいつ暴走し出して何処まで破壊するか分かんないし、子供らをアンタと駿に任せて俺が忍野さん拾った方が…どう考えても効率が良いのよ。」 ニノは俺に困ったように話ながら、手持ちのスーツケース?みたいなのから道具とか折り畳んだり分解してある機械とかを取り出して、ガチャガチャと超小型の乗り物に組み立て、この管理室からの脱出準備をしている。 俺がいいの?って聞いたのは、末駿が一番信用してんのがニノだから。 二人はずっと一緒だったからだけじゃなくて、恋人とか、従兄弟とか、そんな言葉では片付けられないような絆で繋がってる。 それはニノにも言えて、効率がいいとか冷静なこと言ってるけど、本当は心配で心配で……今すぐ駆けつけたいぐらいにニノにとって末駿は大切な存在なんだよね… それに加えて無理しちゃったみたいだから…… 俺がさ、もっと役に立つ存在だったならニノは安心して駆けつけてたのかな……? 「アンタが力不足とかそんなんじゃないから。」 「…え?」 「…”外”の人間は空気の変化に敏感なの、アンタも分かるでしょう?」 「……うん。変なこと考えてごめん。」 ”外”の種族の人間達は、動物的第六感っていうのかな?勘が鋭くって、加えてニノは電気の動きが分かるから心拍数の変化も分かるらしくて、心が読める訳じゃあないらしいけど、大抵のことは人より多くの情報を受け取れるから何となくで分かるんだって。 俺も感情の変化とか、嘘とか、ちょっとなら分かるよ? ニノや末駿とは違うけど、俺にも”外”の血が流れてるから。 .
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