ーprologー

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返事を聞くと直ぐに能力を発動させれば、右腕の周りを炎がぐるぐると蛇の様に渦巻き覆い、真人が盾にしていた樹木を引っ込めるのを確認しながら間合いに間髪入れずに炎で押し、近寄る気も起きないよう先頭の陣を焼き払う。 火の能力なんて今では政族の一部の人間しか使えないから、余計に恐怖なことだろう。 人間の肉は焼き残すと異臭がするから、肉を焼ききるぐらいの高熱の炎を出そうと思うと、壁とか溶けてほしくない物の周りだけ温度を下げなきゃで、正直色々と調整が疲れる。 その疲れる反面、容赦なく焼き払ってた時代を思い出すんだろうね。 人を、武器を、調節して溶けないよう気を付けていた物々を、次々と焼き払っていく度に、楽しくてウキウキしてきて…… 正直理性とかがもう、保ちそうにない 能力を使い出して楽しさを抑えて調節している間に、左手で抱えていたはずの真人は居なくて、今の今まで気付かないほど破壊?焼失?衝動に夢中になっていたようだ。 それももう抑えきれない程に膨れ上がってきてるんだけど。 向かってくる人間と遊ぶ為に蛇の様に蠢かしていた炎を、誰も迫ってこれないよう通り道を壁や天上、床に沿い、隙間なく炎で埋めバリアみたいに固定する。 固定を定着させると、一旦管理室で未だに機械を触っているであろうニノに断りを得るため駆け足で階段を登り、その姿を確認すると側まで行き尋ねる。 この時の俺は無邪気な子供の様な笑顔らしい。 .
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