ーprologー

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「ねぇニノっ。もうさ、ぶっ壊しちゃってもいいっしょ?」 「はぁ?もうスイッチ入って……ますね。…まぁ想定内だからいいですよ。ただし、くれぐれも俺と駿と…子供たちだけは巻き込まない様にしてよね?」 「まぁ、この辺で留まる様には頑張ってみるよ。」 仕方ないなぁと答えたニノは機械類などの荷物を纏めると、既に大袈裟に破壊され開けられている窓から、ニノ特製の超小型のバイク型ヘリ?みたいな、プロペラで飛ぶ、乗るところは剥き出しの2人ぐらいしか乗れない乗り物で、 脱出し管理室から遠くへ離れていくのをしっかりと見送ると、楽しみを味わうべく通路の炎壁をわざと消し敢えて管理室の中へと敵をお招きする。 「化け物でも能力が尽きたか?能力が無ければ所詮はただの人間だ!今の内に仕留めろ!!」 入り口を見渡すのに丁度いいテーブルに腕を立て腰掛けていると、様々な罵倒を吐きながら沢山の人間が管理室に入ってきて、思わず身震いする。 自然と込み上げてくる笑いに声を殺して表情が見えないようやや俯いていれば、大量の足音が間近に迫り、視界の端にも捉えられる距離になってきたため、目の前の楽しみに圧し殺していた笑い声を上げながら、満面の笑みで顔を上げる。 上げるのと同時に体の周りを炎が勢い良く渦巻き立ち上り、俺の肌を朱色に照らす。 「ふはははははっ!…ばいばーい」 俺を怯えた目で見てくるその表情に快感を覚えながら、手を振り明るく別れを告げると、苦しむ暇も、死ぬと感じる暇も与えない早さで炎上域を一気に拡大し、一瞬にして辺りを焼き払った。 .
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