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「とにかく、何も余計なこと考えなくて良いから、駿のこと…よろしくね」
「んっ。分かった!」
「じゃコレ。インカムと電磁波装置」
そう見せられたたのは、いつも使ってるインカムと見たことのない電子機器系のチョーカーみたいなヤツ。
今日は近くに居たから使わなかったけど、インカムは俺専用のを渡してくれる。
で、
「…でんじはそーち??」
「そう、電磁波。電磁波ってのは、電気の流れの膜みたいなもんよ。これはそれを発生させて、着けてる人間を認識しにくい状態にさせるもので、景色と同化して姿見られなくする、って代物。」
そのチョーカーを俺の首に装着してくれながら色々と細々と説明してくれるけど………
正直よくわかんない
「………えーっと…」
「……あんたには難しかったですかね。とにかくそれを着けてさえいりゃあ、どんなに風の能力使おうが、堂々と翼広げようが、お小言煩い誰かさんがいつも口煩く言ってる『見られるからやめろ』ってのを、近くに人が居なけりゃ、気にしなくて良いのよ。」
「…えぇっと………、良く分かんないけどさ、能力使っちゃっても諒ちゃんに叱られないって事でいいんだよね…?」
「結局わかんねぇのかよ!!」
盛大にニノが突っ込みを入れてきたが、イマイチ理解できないことは出来ないのだから仕方がない。
「ただ、くれぐれも人の近くでは翼広げないこと!分かった?」
「りょーかいっ!ありがとねっ、ニノ!」
人が近くに居なきゃ、どんなに力使っても大丈夫ってことだかり、諒ちゃんにも怒られないって事だよね?
何だか入り口も騒がしくなってきたし、末駿も心細いだろうし、ニノも急かしてるから、この部屋から出るべく外に面している壁に向かって突風を作り出す。
それと同時に背中に熱さを感じ、次の瞬間には一気に広がった翼を腕を延ばすようにめいいっぱいに広げる。
さて、行きますかっ!
ニノに挨拶をして、その翼を羽ばたかせて子供たちが居るという建物へと向かい飛び立った。
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