私立芽論学園

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私立芽論学園

 20xx年 8月25日 日本  プルルプルル 早く早くと心の中でせかしながら、お母さんが電話に出るのを待った。 「もしもし。」 「お母さん!!絶対あのメロンパンかって来てよ!!」 「わかってるわよ。留守番頼んだわよ。」  ため息交じりの声だ。 「やったーーーーーー!!」 電話を切った後、私は浮かれすぎていたのかもしれない。メロンパンが好きすぎたのかもしれない。  その日お母さんはなくなった。  20xx年 8月25日 ヨーロッパ 「ハァ…ハァ」  何がおきたの?  自分でもよくわからない。  ただ、目が覚めたら両親が倒れてた。  しかも血だらけで――。  悲鳴なんて出なかった。  だってそれは自分がやったものらしかったから。 「何で…何で私なの。」  手には赤くて生暖かい液体。 「いたぞ!!こっちだ!!」 大人たちが近づいてきた。  早く…早く私を助けて!!
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