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嬉しいのだ。僕は。
嬉しいと思ってしまっているのだ。
忍野が去って、愛しいひとがいなくなって。
好きなひとがいてしまっていて。
僕は好きなひとのもので、好きなひともまた、僕のもので。
それでも。
僕の根本的な、根っこの部分は、忍野のものなのだ。
僕が誰かを好きになっても、僕をすきなひとが現れても。
僕が誰かを愛しく思ってしまっても、僕を愛しく思ってしまうひとがいても。
僕は、ずぅっと忍野のものなのだ。
――――それが嬉しい。
すごく、すごく。
悲しい筈なのに。
恨めしく思う筈なのに。
記憶に埋め込まれて差し込まれて、傷をつけられて広げられても。
嬉しい。
その全てがあの男に、忍野につけられたものだと思うと。
あの男は、
あの男ときたら、
―――なんて、ひどいんだ。
ガヤθхナマ 長いから二つにわけましたれれれ
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