私の愛犬を探してほしい

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 なんだよ、だって本当のことでしょ?  いつもいつも訳の分からない情報をマスターに垂れ流したあげく、その代わりにとぺぺロンをただぐいしていくのだ。  モリソバーノはマスターの風体からか、勝手にここを危険な渡り鳥が集まる店だと勘違いしている節がある。 「今日も一日探し回ってるけどまったく見つからなくて……。チャヅケは私が居なければなんにも出来ない奴なんだ。今だって私が見つけてくれるのを心待ちにしているに違いない!」  大げさに頭を抱えてみせるモリソバーノ。  なんだかなあ。そんなに飼い主を頼り切る犬が朝から晩まで姿をくらませたりするものかな。  モリソバーノの様を見ている私は、マスターから肩を叩かれた。本人は弱い力で叩いてるつもりかは知らないけど、結構痛い。 「なんですかマスター。肩超痛い」  マスターが顎でしゃくるのは、モリソバーノの足下。  促されるままそこを見ると、そこには泥だらけのズボンの裾があった。 「一日中、外を探し回ったのだろうな。奴の性格だ。私たちに助け船を求めるのも本当はしたくなかったのだろう」  静かに立ち上がったマスターは、こちらを振り返ることなく店の入り口まで一直線に歩いていく。 「マスター?」 「少し外を見てくる。お前は留守番をしていてくれ」 「お、おおおペペロペロ! 探すのを手伝ってくれるのか!」  歓喜の声を上げながら、モリソバーノも立ち上がりマスターの背中めがけて駆け出していった。
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