私の愛犬を探してほしい

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 これ以上はやめておこう。ボンゴレアの身体からなんか湯気が立ってきてるし。 「わ、悪かったわよ。ちょっとからかっただけじゃないの」 「からかうにしても仕掛けてくるのが早い早い! 私が着席してほんの数秒で仕掛けてくるだなんて……マナー考えなさいよ!」  テーブルを思い切り叩き激しい怒りを思う存分表すボンゴレア。  なんか凄く悪いことをしたような気分になってきた。 「悪かったってば。ほら、後で私が食べようと思ってたクッキーをあげるから」 「それつまり……敗北宣言ね!」 「うん負けた負けた。もう負けで良いから食べたら早く帰りなさいよ」 「なぜ私を帰宅させようとするのかしら!」  出されたクッキーをバリバリ食べながら怒り続けるボンゴレア。  彼女の店はうちと違い、大変に繁盛している。  夕食時を少し過ぎたこの時間も、きっとまだお客さんの姿はあるのだろうに。それなのに行儀の悪い姿勢でクッキーをバリバリボリボリ。 「良いの?」 「なにがよ」 「店。まだお客さん残ってるんでしょう?」 「……余計なお世話だわ。あんたは自分とこの心配だけしてなさいな」  カチーンだわ。カチーンすぎるからクッキーを取り上げてしまうこともやむなし! 「ま、まだ四枚くらい残ってたわ?」 「うるさい! 嫌みを言いに来ただけなら早く帰りなさい!」
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