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もう見つからなくても良いんじゃないかなって思います。
モリソバーノが飼っている犬の良い評判はあまり聞いたことがない。ていうか聞かない。
「きっと射殺されたんだよ」
「なんという投げやりなことを言うんだフォカッチャ!」
モリソバーノに倣い、私も両肘をテーブルに乗せてダブル頬杖スタイルで結論付けてやった。
「話は終わりだ」
「え!? え、え、え、え? なんでだいペペロペロ、なんでそんな連れないことを──」
「ペペロンチーノジョークだ」
「なんなのそれ!」
モリソバーノが席から腰を浮かせてマスターに詰め寄っている。
ぺぺロンジョークへの耐性が低い人はこの店への出入りを禁止してやったらいいな。彼のこのザマを見たら本当にそう思えてきた。
要するに私はこの店を潰したいのか?
今の今まで店をなんとかしたいとか言っていたのに?
でもマスターからぺぺロンジョークを取り上げるのは不可能な訳で、ぺぺロンジョークにうろたえる客を見るのもなんか忍びないわけで……。
「うーむむ……?」
「お、おいペペロペロ、フォカッチャが急に頭を抱え始めたぞ?」
「心配は要らない。閉店後のフォカッチャは最近よくああなるのだ」
「心配要るんじゃないか!?」
失礼なマスターね。
誰の為に私がこうなってるのかってことを少しは考えてほしい。
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