私の愛犬を探してほしい

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◇◇ 「とりあえず、要点をまとめておくと」  ぴいぴい喚くモリソバーノをなだめながら、彼がうちに来た理由、飼い犬の失踪の件について幾つかの情報を引き出すことに成功した私たちは、モリソバーノ同席のもとに一旦情報を整理してみることにした。 「飼い犬の名前はチャヅケ。年齢は二十。好物は焼き鳥にビール。趣味は部屋でだらだらとすること。これで合ってるのよねモリソバーノ?」 「くだらん犬だ」 「整理するべき情報が間違ってね?」  いたって真剣な私たちに、モリソバーノが苦言を呈するというまさかの事態に発展。  “え?”と顔を上げた私たちに“いやいやだって君たち”と更なる反論を仕掛けてきた。 「そんなステータスは今どうだっていい。チャヅケが居なくなっているんだから、それに対しての情報を何か──」 「チャヅケが行きそうな場所なんて貴方の方が詳しいでしょ? 腐っても情報屋なんだからそのくらいの情報は持ち得ていなさいよ」 「私が扱う情報は多岐に渡るのが自慢だが、残念ながら飼い犬情報にまでは手が届いてはいないのだ!」  さりげなく自慢を入れてきたわね。  皿を磨き終えたマスターがカウンターから出てきて、私と同じテーブルのイスに腰を落とした。 「ふむ」 「なあ頼むよペペロペロ、君にはいつも鮮度抜群の情報を提供してやっているじゃないか!」 「その代わりにいつもペペロンチーノをただぐいしてるわよね」  私の言葉にモリソバーノからの睨みが入った。
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