失った物

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俺は避けることなどしなかった。 もう、こんな状況で生きてても仕方ない。 ならば、いっそ死んでしまった方が楽だ。 目の前に迫る炎が…… 俺の顔に当たった。 「フリーズボルト!!」 「ホーリーレイン!!」 「バニシングフレア!!」 騎士達は俺に向かって魔法を放ちまくる。 騎士達は俺が死んだと思ったのか、攻撃を止めた。 煙が晴れていく…… 「な、なぜ傷1つ付いていないんだ!!」 そう、俺は傷1つ付いていない。 「やはり貴様は魔族……それも上級の魔族だろう!?」 死ねない事も分かったんだ。 寿命が来るまでどこかでひっそりと隠れていよう。 そう思い、俺は羽を出し、長年住んでいた町を飛び去った。 悲しみと共に……
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