冗談にならない朝の話

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「やぁ、ゆりなちゃん」 「あっ、あなたは私の親戚で私が通う大学の2回生で、私の憧れの淳兄さん!!」 詳しい紹介ありがとう 誰に向けての説明か分からない口調だが、本人は全く気づいていない 頬を少し赤らめ、にこにこしている 本人が幸せならそれでいいのだろう 「実は俺、前から君のことが…」 淳の言葉が突然消えて、口パクになる しかしゆりなは、次に来る言葉を読み取っている 「嬉しい…!!」 恋する乙女は強いのだ(えっへん!!)、という声が、どこからか聞こえた ひしっ、と2人は抱き合う そして顔を見上げると、 「よう、ゆりな!!」 「げっ!!」 隆史の顔だった ゆりなの眉間にシワが導入される 「いや~!!離れて~!!」 「ゆりな…」 ゆりなの抵抗は無意味に等しく、隆史はゆりなの頬を両手で挟み、ゆっくりと顔を近づける 視界に映る隆史の顔が大きくなるにつれ、ゆりなの顔もまた歪んでゆく 耐えきれず… 「ぎゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!」 .
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