冗談にならない朝の話

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「すみませ~ん、隣に引っ越してきたんですが…」 まだ出てもいないのに、玄関の向こうから言われた 隣 隣 隆史君……げっ、!! 朝の穏やかな雰囲気が消し飛んだ一瞬だった 出なかったら不審に思われるし、出たら確実に人生がなくなる… 半泣き状態になりながら、ほんの3秒の間に、嘗てないほど脳を使う ジャージの上着を着る ノリで買ってしまっておいたメンズのキャップに長い髪をしまい込んで、目深く被る 猫背になる… そして、玄関のドアを開けた 「はい」 いつもよりオクターブ低い声で… .
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