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隆史にバレたその日から、隆史は毎日のようにゆりなの家に夕飯を食べに来ていた
決してゆりなが招いたのではない
天地がひっくり返っても、そんなことはあり得ない
魔王、隆史は相変わらずの自己中ぶりを発揮していた
~初日~
ピンポ~ン
「はい、どちら様ですか?」
「宅配便でーす」
バレてしばらくはほおけていたゆりなも、『まぁ、なんとかなる』という、何の根拠も無い確信を胸に、もう立ち直っていた
確信というよりは、希望以外の何物でもないが…
何も疑うことをせず、ゆりなはドアを開ける
素直って時々怖いよね
そこにはにやけ顔した隆史がいた
急いで閉めるも、悪徳セールスのごとく足を巧みに使い、難なく部屋に侵入
そして一言、
「おい、飯!!」
次の日も、その次の日も、ある日は郵便、ある日は新聞の集金、またある日は落とし物を拾った人…
毎回騙されないと誓うも、ゆりなはそのお人好しにより騙され続けて…
ついには抵抗に疲れてしまった
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