始まり

3/4
前へ
/6ページ
次へ
この高校は丘の上にあるため、坂道を歩かないといけない、だが、坂道には桜の木が多く植えられていて、たくさんの桜の花びらが道を覆っている。 僕は坂道を歩いていると、目の前に一人の女の子が立っていた。 「綺麗だ……」 僕は口から無意識に出た言葉に恥ずかしくなり、顔が真っ赤になっているのを感じていた。 だが、お世辞でもなく、本当に綺麗だった。 艶めく茶色の髪は肩までしか伸びておらず、一瞬男の子と勘違いしそうだが、整えられた顔はまるで人形のよう、そして大きな胸はとても高校生とは思えなかった。さらにはバックの桜と合わさり、すごく美しかった。 だが、朝のSHRの時間まで、後10分しかない。 時間も押していたため、すごく緊張するが、その少女に声を掛けてみることにした。 「あっ…あの、すみません…朝の…」 「あなたは見えるものと見えないものってわかりますか?」 「へっ…?」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加