2人が本棚に入れています
本棚に追加
次の瞬間、春の風が舞い上がり、桜の花びらが彼女を包むように吹き上がった。
その姿は神秘的しすぎて、言葉が出なかった。
それからどれだけの時間が経ったかわからないが、彼女は桜の木を見つめるように立ち止まっていた。
僕自身が、立ち止まっていたことに気づいた時に、立ち止まっていた彼女もビクッと肩を震わせた。その姿に僕も反応してしまって驚いてしまった。
「あわわっ…どうしましょう!?朝のSHRまで後5分しかない!!あぁ…早く行かないと…」
なんか彼女は、現実に戻ったのか急に慌て始めた。すると学校まで繋がっている坂を下って降りてくる女の子が現れた。
「お姉ちゃん!!早くしないと遅刻しちゃうよ!!」
どうやら、現れた女の子はこの立ち止まっていた女の子の妹さんだったらしい。けど姉が美人だったら妹と美人なんだな。
妹さんが近くまで来ると僕の存在に気づいたらしく、不思議そうな目で僕を見てきた。
「あれ?見かけない顔に校章が菖蒲達の学年と一緒だ!!ということは噂の転校生だな!?」
僕の学ランの襟についている校章を見て、転校生と見抜いてくれた。これはとても助かりそうだ。これでこの菖蒲ちゃんという女の子に事情を話せば職員室に行ける!!。
最初のコメントを投稿しよう!