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フィーニス島
「うっ、ううっ……」
ふらふらしながらも立ち上がる。まわりの景色に驚いた。
たくさんの緑と白い建物がある町のようだ。俺はこんなところ、知らない。
「ここはいったい……いや、それよりも!
おい、大丈夫か!?」
呼びかける。姿が見えない……大丈夫なのか?
不安の中、聞き覚えのある声が聞こえた。
「うん、わたしは大丈夫!それより、どこにいるの?姿、見えないけど……」
とりあえず安心した。
「俺か?」
俺と同じように姿が見えないらしい。なにか目印……少し歩き回る。
すぐそばに見えたのは、かなり大きい木だった。
「なんか、でっかい木の近く。木の前に池みたいなのがある。」
「え……?わたしもその近くにいるんだけどな……」
は?
「なんだそれ?隠れてないで出てこいよ。」
俺の視界にはソニアどころか人っ子1人見えないんだが……?
「隠れるのはそっちでしょ?わたしは……」
聞きつつ辺りを探してみる。池も一応覗いてみるが、さすがにいる訳な「あ、見つけた!」
聞こえた瞬間、俺の体が勝手に立ち上がった。
「いてっ!なんだ?体が勝手に!?」
「あれー?池に顔が映ってたと思ったんだけどな……」
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