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翌日
「…となるので、ここはこの公式を使います。」
今は数学の授業中だ。
カリカリとペンの音が鳴り、生徒達は皆真剣に授業に励む。
「おい、転入生!寝る時間にはまだ早いぞ!」
勿論、机に突っ伏しているバカ、天崎渡を除けばの話だが。
「ふぁ~あ。お早うございます。」
「よし、目覚めついでだ。この問題を解いてみろ。」
と渡に問題を出す教師。
だが、ここは異世界で科学が発展していない世界だ。今出された問題も地球での中学一年生レベルの問題だ。
「え?あー、解は14です。」
「…正解だ。」
オー、と教室内が騒然となる。
「ねぇ、ワタル。知識使ったの?」
とナディが問う。
「いや、俺は今の公式を四、五年前に習った。」
「…私、ワタルの世界に生まれなくてよかった。」
「数学なんて普段の生活では意識して使うこと少ないからな。正直、俺も面倒な計算の必要のある公式は普段の生活に必要ないと思う。」
本当に嫌そうな顔でそう答える渡。
ま、安全や科学の発展には必要なんだがな。と付け加える。
キーンコーン
授業終了を知らせる鐘が鳴り響く。
相変わらず二回である。
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