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街道を行く人影は疎らで、もう店じまいを始める店もある。その街道を三つの頭が仲良く並んで動いている。
真ん中の頭は高い位置にあり、他二つは同じくらいの位置で揺れている。
「ねぇ、先生に質問したことの答えって知ってたんでしょ?」
右側の影が背の高い影に問う。
「ああ、知ってたよ。少し意地悪してみた。」
「ねぇ、何の話してんの?」
背の高い影が答えると左の影が口を挿む。
「今日、マニラ先生が可哀想だったって話。」
「なんで可哀想わけ?」
背の高い影の説明に更に質問を重ねる。
「俺が先生に、召喚後の魔法陣で別の人間が召喚した時、禁忌召喚にならない理由を訊いたんだ。質問に答えられなくて可哀想な感じになった。」
「そういえばならないわね。」
また背の高い影が答え、左の影は納得したようだ。
「あの答えってなんなの?」
右の影が問う。
「使い魔召喚ってのは、召喚の際に召喚者の血を魔法陣に垂らすことにより、その血を媒介にして使い魔を召喚する行為のことなんだ。」
「それが?」
と左の影。
「別の質問をしよう。魔法を使った時、何を消費する?」
「え?えっと、魔力でしょ?」
急に質問され焦りながらも右の影が答える。
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