とある養女の学生生活

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お父さんがくれた教科書で勉強しよ。算数楽しいし。 ※渡がメルトにあげたのは地球の教科書を翻訳したもの。この世界では数学や科学の分野が地球よりも遅れている。現在、この学年は桁数の大きい足し算と引き算だ。 「え、なにそれ?」 「…私?」 レオ君が私の教科書を横から覗き込んでくる。 「なんでそんなに難しいことしてんの?」 変な顔してる。 「…? …そんなに…難しく…ない。」 お父さんが教えてくれるし。 「…三桁の…引き算は……横に並べると…解り難い。……だから…縦に並べる。」 「「おぉ!!」」 いつから見ていたのか、レオ君の横にサイアちゃんもいて感動してる。 「…お父さんが…教えて…くれる。」 「あなたのお父さんって、学者?」 サイアちゃんが聞いてくる。 「…学生。」 「「学生!?」」 言ったらいけなかったかな? 「お父さんっていくつ!?」 レオ君が目を大きくして聞いてくる。 「…17。…血は繋がって…ない。」 血は繋がってないけど、本当のお父さんみたいに暖かい。
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