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「ほ、本物じゃないなら…。」
「ダ…ダメ!!」
レオ君が逃げようとする。でも、そんなことしたらすぐに攻撃される。
「そうよ、相手は大人。私達じゃ逃げることもできない。」
泣きそうなサイアちゃん。
「面倒だな。貴族でないものは傷つけない予定だったが、私が偽物だと知っているなら消えてもらうしかない。貴族のガキ共も動くなよ。動いても順番が替わるだけだ。」
あっさり自分が偽物だって認めたローブの人。左手を構える。魔法を撃つつもりだ。
私達は子供、抵抗する力は無い。それよりも、三人そろって腰を抜かしてる。殺気なんて初めて感じた。
「消えろ 『ウィンドバリスタ』」
私の胸に向かって大きな風の矢が飛んでくる。
たぶん、あの魔法は私の命を簡単に奪う。
ああ、お友達できたのにな。
お父さんに会って、楽しいこと増えてきたのにな。
ミカエルさんとも少し話せるようになったのにな。
私の人生、短かったな。
お別れ言ってないや。
お別れ、したくないな。
もっと、みんなと一緒にいたかったな。
もっと、お父さんと一緒にいたかったな。
…お父さん。
パァン!!
何かが弾けた音がした。
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