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「独立、だろ?」
「君は本当に理解が早くて助かる。家臣達にも見習わせたいものだ。」
ロロの考えは帝国からの独立。袂を分かつつもりだ。
「王国の宣戦布告による兵力の分散で独立には有利になるわけだろ。俺の仕事は国境防衛か?」
「いや。」
一度言葉を切るロロ。
「帝都で虐げられている民を助け出してほしい。帝都は帝王がいて、確実に戦場になる。罪の無い者たちが戦火に巻き込まれる必要は無い。」
「ならば国境の防衛はどうする?オーバーランクが出てきたら抵抗できるのか?そんな逸材はいなかったと思うが。」
「いないね。」
はっきり告げるロロ。
「だから、速く連れてきてくれ。」
「は?…ハァ、わかったよ。国王の仰せのままに。」
諦めた様子の渡。帝国には数多くの民が存在する。貴族も民の中の一部だ。
それらを見極め選別し、公国へと連れ帰るのが今回の仕事。
だが、それだけでは終わらない。
帝国への牽制のために国境防衛に赴く必要がある。
「タイムリミットは王国軍が帝都に着くまでか。ちっとばかし骨が折れそうだ。」
渡は部屋を後にした。
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