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王国の宣戦布告から五日。公国の独立宣言から二日。『鬼』の服装をした渡は今、帝国と公国の国境付近に立っている。
遠方に見えるは帝国軍。彼の後方には公国軍。公国軍と共にあるのは義勇軍。帝国軍はロロと渡の予想よりも数が少ない。
去る者を追うよりも、来る者を拒む方に人員を裂いたようだ。よっぽど勇者が嫌いらしい。
正規の公国軍は鎧にマント。マントには国の紋。各々の手に武器。持っていない者もいる。義勇軍は様々な格好をしている。帝国軍も公国軍と似通った格好だ。
「生と死を司る神 日輪の出時 月輪の出時 二つの時で姿を変える その首を欲す者 神の逆鱗に触れ生を失う その首を返す者 神の慈悲に触れ呪を脱す 大いなる森の神よ 我が前にその姿を現せ 『ディ○ラボッチ』!!」
渡の目の前には魔法で再現された半透明の巨人。
「もの○け姫wwwやべぇ、テンション鰻昇りwww」
小躍りする渡。昼間なのに姿がシ○神ではないのは渡が設定したから。このディダ○ボッチに触れる者は気絶する。人の命を奪うことを嫌う渡が設定した。
帝国の兵士達は足が止まっている。公国の戦士達も驚いて固まっていたが、我に還る者が徐々に増え、士気が急激に高まっていく。
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