VS帝国

5/23
前へ
/499ページ
次へ
人々の思いは様々。渡も解っているため、急かしたりはしない。が、彼にはあまり時間が無い。奴隷たちも助けなければならない。 「いないのであれば、俺はもう行く!!異論は無いな?」 付近の人間と話し合う民。 「待って!!」 一人、前へ出た。 「僕も連れてって…ください!」 少年。十歳をいくつも越してはいないだろう少年。 「…ああ。俺はそのために来た。他に俺と共に行く者はいるか!?」 少年を皮切りに、あちこちで自分もと声があがる。 「随分と勝手な事をしているじゃないか。」 転移で現れたのは赤のローブを着た人間。 「あ、あのローブは、『炎獄』!?」 「炎獄?あー、あんたオーバーランクか?」 渡はたいして興味も無さそうに赤いローブの人間に問う。 「その通り。私は帝国のオーバーランク炎ごグボファア!?」 「ワリィ、時間ないから。寝てろ。」 腹に一発右拳。数日間は腹痛に悩まされるだろう。 「はい、他はー?」 何事もなかったかのように話を進める。だが、勘違いしてはいけない。炎獄が弱いのではない。渡が強いのだ。 結局、貧困街の全員が集まる。 「じゃ、この中に入って。」 渡が空間魔法で入口を創る。 「まっすぐ進めー。」 繋がる先は公国城下の公園。 渡はまた走り始める。次は貴族の奴隷たちだ。 ―――――――
/499ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22462人が本棚に入れています
本棚に追加