義務と勇者と思惑と

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――――――― ~玉座の間~ 召喚の時ほど人はおらず、国王、王妃、康介と共に来たスピカ、近衛隊数名、大臣などの重要人物と思われる者数名しかいない。 「どうだ、少しは気持ちの整理がついたかい?」 とリディア国王のレグルスが問う。 「はい、状況は友人が言っていた事と大部分が同じなので掴めていますが、その友人のことで気持ちの整理にもう少しの時間が掛かりそうです。」 暗い表情で答えるバカs…康介。というか、家族に未練はないのか。そんな康介にレグルスは、そうかと小さな声を発した後に続けて 「まず、君の魔力を測定したい。いいかい?」 と尋ねる。康介は頷く。 測定用の水晶が二つ運び込まれ、 「これから測定を行う。測り方は知っているかい?」 とレグルス。康介は首を左右に振りながら、 「僕のいた世界に魔力は存在しませんでした。」 そう伝える。周りの人間はざわめくがレグルスは特に驚いた様子もなく、 「スピカ。彼に魔力の使い方を教えてあげなさい。」 はい、と答えて康介の下へ行き説明をし、少しして康介が水晶に手を付け、 フッ!と短く息を吐くと水晶が強く光り、 砕け散った。
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