義務と勇者と思惑と

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おぉ、と感嘆の声があちこちから漏れる。 「…マジか。500万まで測れるんだがな。 ではコースケ君、次に隣の水晶に少しだけ魔力を流してくれ。下手に力むと結果が正しく出ないからリラックスしてほしい。」 レグルスが言う。最初の呟きは誰も聞いていなかったようだ。 康介は無言で水晶に手を当て、魔力を流す。すると水晶が白、金色、銀色に輝いた。 「……何この子。光の他に特殊属性二つかよ。」 レグルスが壊れてきたようだ。 「僕の属性はなんですか?」 「光と創造と破壊だよ。魔法の使い方に関しては後でスピカにでも教えてもらってくれ。」 康介が頷く。 ――――――― 水晶が片付けられ、また最初の状態の玉座の間。レグルスは復活したようだ。 「単刀直入に聴こう。召喚の際、何があったんだい?」 レグルスは真顔で問いかけ、康介の表情は一気に顔が険しくなり、深い愁いが見て取れる。 「まず聴かせて下さい。なぜ僕を召喚したんですか?」 「それは私が答えよう。」 と言いながら前へ出てきたのは長身で細身の男。レグルスより背が高い。名はデネブ。リディア王国国軍総司令官の職に就いている。
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