義務と勇者と思惑と

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「最近、魔物が大発生したり、魔族が目撃されたりしている。特に大発生した現場に向かった軍人やギルド員は高い確率で魔族を目撃している。 その魔族の頂点に存在する『魔王』を討伐するのが勇者の仕事だ。他の者も手伝うことは出来るが、魔王を倒せるのは勇者だけとされている。」 「されている?」 怪訝な表情をする康介。デネブは疑問に思うことが分かっていたかのように、すぐさま返答をする。 「そうだ。魔王討伐には前例があり、魔王には勇者しか止めを刺せないとされている。」 「そうですか。」 と、康介。納得はしていないようだ。 「では、召喚の時に何があったのか教えてくれるかしら?」 と、突然話し始めるカペラ王妃。 はい、と答えて事情を話し始める。 ――――――― 「そんなことが…。」 と、レグルス。自責の念に駆られているようである。しかし、誰にも気づかれない様に口角を上げる男がいた。 デネブだ。 (この男を使って帝国を滅ぼした後、王族を暗殺でもすれば私が国王になることも夢じゃない!!)
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