義務と勇者と思惑と

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「陛下、この度の勇者召喚で各国に召喚の知らせをしました際に、帝国のみが難色を示したのはご記憶にございますか?」 「は?ああ、あるが?」 急に話し始めたデネブに驚き、思わず地が出たようだ。レグルスは訝しげな顔をしている。 「帝国の使者の言葉によれば、帝国は『魔族に己の国の軍隊のみで対処できる。』とのことでした。 私はそこに疑問を感じるのです。」 「何が言いたい?」 話を聴く気になったようだ。 「はい。私の考えでは帝国と魔族は手を組んでいると思われます。 でないと身体能力、魔力が共に優れていると言われ、兵力も未知数の魔族に対抗できると豪語できる根拠がありません。」 「たしかに一理あるとは思うが、さすがに考え過ぎではないか?」 悩んでいる様子のレグルス。 「警戒するに越したことはありません。それに帝国はいつも他国の領土を奪おうと目を光らせています。」 たしかに、と頷く大臣たち。納得していない王族。
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