一日目

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-side 康介- デネブ国軍総司令官から依頼を受けて、元帝国の貴族の屋敷に来ている。なんでも、この貴族は魔族を飼っているらしい。 今は魔族の兄妹を追いかけている。情報は本当だったみたいだ。 「さぁ、悪が逃げるぞ!!」 「分かってます!!」 後ろからデネブさんの声が聞こえる。さっきから命令ばっかりで五月蠅い。 あの兄妹は魔封じの手錠をしているみたい。魔力を感じないし、反撃もなく逃げるだけ。廊下を曲がったりして逃げるから、身体強化なんてしたら通り過ぎてしまう。 「待て!!」 少女の方が少年を「お兄ちゃん」と呼んでいたので兄妹であることは間違いないだろう。少女は中学生くらいで、少年は同年代かな。 でも、そんなことはどうでもいい。僕は魔族を滅ぼすだけだ。 「デネブさん、聖剣使っちゃ駄目ですか!?」 「いかん!!この屋敷はそのまま使える!!」 面倒くさいな。吹き飛ばしたいのに。やつらさえいなければ、渡は…。 …デネブさん、大丈夫かな?へとへとなんだけど。 「…しまった!!」 あ、袋小路。
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