義務と勇者と思惑と

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「そこで私は勇者を魔法を学べる場である学校に通ってもらうのと同時に、 ギルドトップ集団である『帝』にすることを推薦します。 この場にいらっしゃった皆様も彼の力は理解しているでしょう。後は力の使い方だけです。」 自分の了解も無しに話を進められ頭が混乱している康介。反対に自分の思惑を実現させようと熱弁するデネブ。 それに、とデネブは言葉を続ける。 「魔族さえいなければ、彼は召喚されることも友人を失うこともなかったはずだ。」 「やります、勇者。あと、帝とやらも。」 デネブに対し、即座にこの反応したのは康介。 「僕が魔族を 滅ぼしてやる。」 と、憎悪を込めてそう告げた。 こうして、リディア王国に、憎しみと欲望に包まれて勇者が誕生した。
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